2010年06月14日

じいちゃんが逝くとき

「俺も あんなふうに死にたいな・・」
「Sさん いさぎいいな。」

「いざ! さらば・・ だもんな。」

人が 口々にそう言った。
父ちゃんの父ちゃんな。

オレの じいちゃん。
いきなり 逝っちゃったんだ。

その日は 透析の日だった。
午後2時に迎えの車が来ることになっていた。

昼ごはんを食べて 夕飯の弁当を かばんにしまって
そのまま コタツに横になって 逝ってしまったんだ。

オレと母ちゃんは いつものように 散歩に出かけていた。
帰ってきてみたら 透析の迎えに来た
タクシーの運転手さんが

「奥さん 救急車を呼んだほうがいいよ。」
「これは ちょっと 普通じゃないよ。」

と 待ちかねたように言った。
ほんに 母ちゃんがたたいても ゆすっても

呼んでも 何しても 反応がなかった。
偶然と言うか 必然と言うか

その日は 父ちゃん 現場が近くだった。
すぐに 連絡を取って来てもらった。

心臓マッサージをしても だめだった。
そのうち 救急車が来た。

救急車には 母ちゃんが同乗した。
救急隊の人が すっかり反応のないじいちゃんに

心臓マッサージを し続けてくれた。
汗 びっしょりになってな。

病院のベッドの傍らで 母ちゃん いろんな思いを
じいちゃんに 伝えた。

「おじいさん 私を成長させてくれて ありがとう・・・」


その日も 母ちゃんのために 風呂のもし木を運んでおいてくれた。
ボイラーの石油も 入れておいてくれた。

近所の人達に 自分で作った みずみずしいキュウリを
配って歩いてな。

ぜんぶ その日の午前中のことだ。

かっこいいじゃないか。
父ちゃんも 母ちゃんも そう 思った。

けんかもたくさんした。
気短なじいちゃんは 母ちゃんに 怒鳴ったこともあった。

母ちゃんも 腹いせに そっけなくしたこともあった。
長い同居生活の間には いいときばかりじゃない。

悪いときのほうが 多かったかもしれない。
同居生活が 必ずしも良かったとは思わない。

だけど 母ちゃんは それを選んだ ということなんだな。
母ちゃんのステージは そこだったんだな。

じいちゃん ずいぶん前から 母ちゃんに
全幅の信頼を置くようになった。

怒鳴ったりすることも 一度もなくなった。
母ちゃん 病院通いのじいちゃんを とうとう面倒見続けてきた。

自分が選んだステージで 人生を続けているんだ。


こういう 人生も あるんだな・・・・



またな!!!

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Posted by ジョー母 at 14:15│Comments(6)家族
この記事へのコメント
自分が選んだ道は、後悔のないよう生きたいものです
母さんもジョーも今いる場所が、一番心地よいのですよ
どんなことが、あっても
Posted by キューピー at 2010年06月14日 17:17
キューピーさん こんばんは。
はい 私もそう思っています。
私が選んだ場所が 自分にとって一番良かったと。
だから ジョーにも出会えました。

キューピーさん いつも見守っていてくださって ありがとうございます。
とても 心強いです。
Posted by ジョー母ジョー母 at 2010年06月14日 20:36
お久しぶりです。

カッコいいですね、“母ちゃんのステージ”。
いつもジョー母さんの真っ直ぐな感じに感心してます。

じぃちゃんもカッコ良かったですね。
Posted by トラトラトラトラトラトラ at 2010年06月14日 21:53
カッコイいおじいちゃん
そしてカッコイいママさん
何か…亡くなった後にそんな風に思われるおじいちゃん…

よくその人の最後の亡くなり方でその人間・生き方がわかると言いますが
素敵なおじいちゃんだったんでしょうね

午前中に運んでおいてくれたもし木…
何か…それ想像したら泣きそうになりました
Posted by さえ at 2010年06月14日 23:25
トラトラトラさん お久しぶりです。
ありがとうございます。
私 かっこいい生き方をしたい・・・ と 思っているので そんな風に言われるとうれしいです。
じいちゃんも 今考えると そんな人生だったと思います。
Posted by ジョー母ジョー母 at 2010年06月15日 08:21
さえさん おはようございます。
「もし木 運んでおいたぞ。」 と言ってくれました。
「あぁ すみません。」
それが 最後に交わした言葉だったような気がします。

近しい人ほど 亡くなってみて はじめて全体が見えてくるような気がします。
頭に来たりした思いでも 懐かしさでいっぱいになります。
Posted by ジョー母ジョー母 at 2010年06月15日 08:26
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じいちゃんが逝くとき
    コメント(6)